2016年11月07日
10月29日(土)に、認知症介護講座を開催しました。
認知症専門病院である当院で勤務しながら、自宅で実際に介護をしている職員より
認知症の自宅介護体験と専門職としての介護視点を話して頂きました。
仕事で認知症の方と関わっているけど、家族が認知症になった事を受け入れるのに時間がかかった。
介護する他の家族に、認知症について理解して頂くのが大変だった。
症状の進行や本人の変化に合わせて、関わりを変えていく必要があり、日々悩んだ。
等、職員の苦悩した話に深くうなずき同意する家族が多く見られました。
また職員の「自宅で看取りましたが、これが正解だったのかと今でも悩んでます。看取るまでに他に方法があったのではないか、自宅看取りがよかったのか・・・」
の言葉には、涙を流す方々がいらっしゃいました。
改めて、認知症という病気は本人だけでなく家族も辛く悩む病気なんだと再確認しました。
講座より
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徘徊や暴言、暴力など言葉では、問題行動と言われていますが、認知症の方がそのような行動を示すには、理由があります。
病気が進行する事で、本人も恐怖や不安を抱えています。
今までの自分ではなくなる、知らない事が増える、大黒柱や家庭を守っていた自分が世話をかけてしまっている・・・
認知症の方が、何でこんな行動をとるのか、その「なぜ」を見つけてください。
☆
逆に、介護する側も家族だからこそ怒ってします事はあります。
子供は親の背中をいくつになっても追いかけたいものです。私もそうです。
追いかけていた目標の背中が急に変わったら、受け入れられないのは自然なことです。
母親に絶対的な愛を感じていた場合は、安心感が無くなった事に大人になった子供でも不安を覚えます。
自分の気持ちに蓋をしないでください。全てに目を背ける・蓋をするといつか限界がきます。
時間はかかると思いますが、自分の気持ちと家族の認知症を受け入れる事が大切です。
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認知症の方と関わる仕事をしている職員でも、介護は悩みます。
「これでよかったのか・・・」と本人の言葉を聞けない分悩むと思います。
その思いを思っているのは、みんな一緒ですので貯めずに言葉にし外に出して下さい。
周りが答えを元気をくれるかもしれません。
認知症専門病院として、認知症の方と家族の方の力になれる様に、当院も悩みながら進んでいます。
お気軽に、皆様の声をきかせて下さい。
認知症介護講座より