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スタッフブログ

10月の調理クラブ「さつまいもの和菓子作り」

2016年11月13日

10月の調理クラブ「さつまいもの和菓子作り」

10月24日、7名の患者さまと当院の畑でとれたさつまいもを使い、3時のおやつに替わる和菓子作りを行いました。メニューは、さつまいもの茶巾、さつまいもシベリア、芋蔓の炒め煮です。調理を行いながら回想法にもなればと思いまして、馴染みのあるメニューにしてみました。

今回は、調理動作能力が保たれている方、食思不振の方、作業活動の希望が強い方をお誘いいたしました。

調理は脳の前頭葉と呼ばれる場所の実行機能を主に用います。実行機能が低下すると自ら何かをしようと思ったり考えたりする意欲が低下したり、何かをしようとした時にそれをどのような手段で行うのか考えたりすることが難しくなり、衝動的な行動をして失敗しやすくなったりします。調理クラブは、残存されている実行機能を環境設定や関わり方によって活用できる場とし、前頭葉機能の維持・向上を目的に実施しております。

また、懐かしいメニューにしたり、懐かしい調理動作を選択することで記憶の機能に働きかけるようにいたしました。特にアルツハイマー型認知症の方は記憶に関する機能が低下しますが、長期記憶は比較的保たれていることが多いため、長期記憶に働きかける内容とし、実行機能活用の補助にもなるようにと考えました。

 

懐かしい動作としましては、すり鉢を用いた芋のすり潰しや、すり潰したさつまいもを茶巾にする動作、包丁で切る動作、炒める動作などです。特に、今回すり鉢でさつまいもをすり潰す動作は多くの方に自発的な動作を行うきっかけになられていた印象を受けました。

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患者さまの変化としまして、普段はデイルームに座っているだけのことが多く、活動にお誘いしても長く参加し続けることが難しかったり断ることの多い患者さまが、調理クラブでは声掛けに動作を継続し、調理クラブ内にて役割を持って過ごすことができました。また、食思不振の方も活動に積極的に参加され、茶巾もシベリアも完食されていらっしゃいました。食思不振には様々な理由がありますが、この方は、小集団でそれぞれが役割を持って活動したこと、作業を通した馴染みの関係者だけで食べる環境によって食思不振の軽減につながったのではないかと考えます。
 

 作業の希望が強い患者さまは、卵焼き器でシベリアの生地作りを行い、とても綺麗に仕上げてくださいました。沢山の人に褒められ、達成感や満足感を得ているような円満で穏やかな表情をされていらっしゃいました。

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次回は、11月28日に当院の畑の青菜を使って餃子・点心作りを予定しております!


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